変形性股関節の整形外科治療
整形外科を受診し、変形性股関節症と診断された場合、患者の側が希望するほどには現状の整形外科には多くの治療メニューはないようです。
具体的には
・股関節周りの筋力維持のための体操指導
・電気治療、温熱治療など
・理学療法士さんによる関節周りのストレッチや可動範囲を広げる運動療法
・足への負荷を減らすための減量指導(体重減らしましょう。の一言)。
・消炎鎮痛薬など、薬の処方
このぐらいでしょうか。(もれがあったらすみません。)
レントゲン撮影はしても、現状把握が目的で、それを受けて何か患者が期待するような治療(治すための治療)が始まることはありません。
しかし、だからと言って整形外科にかかるのはおよしなさい、とは決して言いません。
なぜなら、上記に挙げた治療や指導は、変形性股関節症の進行を遅らせることには効果があります。
また多くの整形外科の開業医の方は、整形外科の専門以外に一般的な診療も行っていただけますので、血液検査などにより整形外科以外の疾病の発見やその薬の処方もしていただけるので、お医者さんに診ていただくことには大きなメリットがあります。
ただ、変形性股関節症を手術せずに治す治療メニューを、現状の多くの整形外科のお医者さんはお持ちではない、という点のみが満足できないだけなのです。
ある程度症状が進んだ患者さんに対し整形外科医は次のような言葉をかけます。
「この状態になると、人工股関節への置換手術が整形外科の標準的な治療メニューになります。ご本人が痛みに耐えられないようであればいつでも手術しますので、お申し出ください。」
「・・・・。」
患者さんは、何とか治してほしいと思い整形外科を受診するのですが、骨や軟骨の慢性疾患に対し、現状の整形外科は限られた治療メニューしか提示できないのが現状のようです。
現在、変形性股関節症の最終的な治療として行われている人工股関節への置換手術にも、様々なリスク(合併症など)と、手術後の生活にも色々な制約(リハビリの必要性や忌避姿勢、経年変化に伴う再手術)や危険(脱臼など)があります。
ただ、ここ数年、整形外科医の中から、変形性股関節でも手術せずに症状の改善事例を提示されているお医者さんが出てこられるようになりました。
数少ないこれらの医師に共通しているのは、20年、30年と股関節治療の現場で数多くの患者さんを治療し、数多くの症例に接し、数多くの手術症例も診てこられた結果、「手術しなくても治る」と発言され、その事例を多く示されている点です。
もちろんすべての変形性股関節症が手術せずに治るとは言われていません。
仕事の職種によって足への負担が軽減できないような立場にある方や、どうしても体重の自己管理ができない方など、足への負担の少ない生活ができない方には人工股関節への置換手術を勧められるようです。
逆に、足への負担を減らす生活ができるなら、手術せずに変形性股関節症を治せる可能性があるということです。
ある医師は「従来行われてきた手術のうち、8割は不要であった可能性がある。」とまで指摘される方もおられます。